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Wan2.2をMacで動かす|M1 Max実測・設定と時短ワザ全手順

「Wan2.2 は Mac で動くのか」。答えは動きます。私は Mac Studio(M1 Max・メモリ32GB)で ComfyUI×Wan2.2 を実際に回し、画像から動画(i2v)で 2 秒の動画を約 9 分で出せました。

コツは設定です。素のフル HD 生成は重いので、現実的な解像度で作ってからアップスケールで引き上げる時短ワザに切り替えると、実用ラインに乗ります。この記事は、その実測値と設定・つまずきどころを実機でたどった順番のまま整理しました。

さらに 2026 年時点の最新事情として、SVI での長尺化・S2V の音声付き生成・Draw Things という選択肢まで、Mac ローカル動画の現在地をまとめます。画像の方を先に確かめたい方は Mac でローカル画像生成は実用か(ComfyUI×FLUX) からどうぞ。

結論|Wan2.2はMacで動く——動く条件と3つの動かし方

Wan2.2をMacで動かす3ルート比較。①ComfyUI(本記事の実測ルート)はワークフロー式で自由度が最も高く、Wan2.2 TI2V-5B+Turbo LoRAで動作、M1 Max 32GB実測で2秒約9分、低解像度→1080p引き上げで時短可。②Wan2.2-Mac(軽量フォーク)は5B専用にそぎ落としたコマンド版で、公開例はM4 mini 32GBで1時間37分、GUIなしで手軽さより軽さ重視。③Draw Things(アプリで手軽)はApple Silicon最適化・A14B対応・解像度720pまで・設定はアプリ任せで、M5では最大4.6倍高速化(公開情報)。実測は①のみ、②③は公開情報ベース。迷ったら実測データのある①から、手軽さ優先なら③。

Wan2.2 を Mac で動かすルートは、2026 年 7 月時点で大きく 3 つあります。私が実機で検証したのは ComfyUI ルートで、残り 2 つは公開情報ベースであることを先に明記します。

ルート特徴速度の目安
ComfyUI(本記事の実測)ワークフロー式で自由度最高。時短ワザも組めるM1 Max 32GB 実測:2秒 約9分(704px)
Wan2.2-Mac5B 専用にそぎ落とした軽量フォーク。CLI 派向け公開例:M4 mini 32GB で t2v 1時間37分
Draw ThingsApple Silicon 最適化のネイティブアプリ。A14B 対応・720p までM5 では Metal FlashAttention v2.5 で最大4.6倍(公開情報)

「動く条件」の目安はユニファイドメモリ 32GB クラスです。私の 32GB は短い i2v なら現実的に回り、5 秒級はメモリ節約の設定(後述の VAEDecodeTiled)を足せば通りました。公開例でも 32GB 構成が動作ラインとして報告されています。

判断の分かれ道はこうです。実測データがあり時短ワザまで組めるのは ComfyUI(本記事のルート)、GUI なしで軽く回したいなら Wan2.2-Mac、アプリとして手軽に始めたいなら Draw Things。Draw Things は公開情報では大型の A14B モデルにも対応し、M5 世代では Metal FlashAttention v2.5 により最大 4.6 倍の高速化がうたわれていますが、私は未検証のため「そういう選択肢がある」の温度でお伝えします。

以降はこの記事の主戦場、ComfyUI ルートを実機の数字で深掘りします。「2 秒 9 分」を遅いと感じるか実用と感じるかは題材次第で、雨の窓・湯気のような雰囲気カットなら十分に戦力でした。

ComfyUI×Wan2.2セットアップ|最初の2秒が出るまで

📖 この章で使う用語

  • i2v(画像から動画/image-to-video):1枚の画像を起点に、それを動かして短い動画にするしくみ。
  • ComfyUI:生成を「部品をつないで組み立てる」土台アプリ。画像のときと同じ作業台です。
  • MPS(Metal Performance Shaders):Apple の Mac で GPU を使うための窓口。Windows の「CUDA」の Mac 版です。
  • LoRA/step:LoRA はモデルに後付けする小さな部品。Turbo LoRA を足すと step(生成の反復回数)を 6 回程度に減らせます。
ComfyUIとWan2.2で最初の2秒動画が出るまでの5ステップ。1. ComfyUIを用意する(MacはMPS=AppleのGPU窓口で動く)→2. Wan2.2 TI2V-5Bを配置する(作業台に描き手のモデルを呼ぶ)→3. Turbo LoRAを足しstepを6に(生成の反復を減らして待ち時間を短縮)→4. 起点画像1枚で最小ワークフロー(画像→Wan2.2→24fpsで動かして保存)→5. 最初の2秒が完成。704pxで約9分(M1 Max 32GB実測)。動画はサーバー側のoutputフォルダへ保存される。

登場人物は 3 つ、土台アプリの ComfyUI・描き手の Wan2.2・動かし方の i2v です。ComfyUI は画像生成と同じ作業台なので、FLUX の画像生成 を済ませた方は環境をそのまま使い回せます。

Mac ならではの前提が 1 つ。Windows + NVIDIA は「CUDA」で GPU を使いますが、Mac は MPS(Apple の GPU 窓口)で動きます。Windows 前提の手順がそのまま当てはまらない場面がある、とだけ頭に置くと迷いません。

M1 Max で実際にたどった順番は、次の通りです。

  1. ComfyUI に Wan2.2 TI2V-5B を置く。作業台に職人を呼ぶイメージです。
  2. Turbo LoRA を足して step を 6 に。生成の手数を減らし、待ち時間を抑えます。
  3. 起点になる1枚(i2v の入力画像)を用意する。私は FLUX で作った画像を渡しました。
  4. 最小のワークフローを組む。画像を入れ、Wan2.2 を通し、24fps で動かして保存する最短の流れだけをつなぎます。
  5. 最初の 2 秒を出す。704px で約 9 分でした。

「自分の Mac の中だけで画像が動いた」瞬間は素直に手応えがありました。クラウドに何も送らず無料・オフラインで動く安心感は、ここで実感できます。

セットアップ段階のつまずきも 2 つ挙げておきます。作った動画が見つからないときは、ComfyUI のサーバー側 output フォルダを見てください(操作画面と保存先が分かれています)。そしてストレージはじわじわ逼迫します——動画モデルも生成ファイルも大容量なので、外付け SSD で置き場を分けておくと在庫が増えても取り回しがラクでした。

動くようになると、次にぶつかるのは「では何を書けば思ったとおりに動くのか」です。プロンプトの型・5B と A14B の選び分け・ステップ数と尺(frames÷fps)の決め方は、Wan2.2 の使い方に分けてまとめました。

実測と時短ワザ|低解像度+アップスケールで実用ラインに乗せる

📖 この章で使う用語

  • VAE デコード:モデルが内部で扱う情報を、人が見られる映像に戻す「現像」工程。動画はフレーム枚数ぶん要るので重くなります。
  • アップスケール/lanczos:解像度を引き上げる加工と、その定番アルゴリズムの名前。ffmpeg(無料の動画変換ツール)で実行できます。
  • OOM(Out Of Memory)/VAEDecodeTiled:メモリ不足で落ちることと、現像をタイルに分けてそれを防ぐ設定。

本記事の核、M1 Max(32GB)の実測値です。設定は Wan2.2 TI2V-5B + Turbo LoRA、6step・24fps。

尺・解像度M1 Max(32GB) 実測判定
704px・2 秒約 9 分○ 短い動きなら現実的
704px・5 秒約 30〜36 分△ 1 本に腰を据えるなら
フル HD をそのまま生成1 秒あたり約 25 分× 5 秒で 2 時間級
768×432 →1080p引き上げ1 秒あたり約 3.5 分◎ 時短ワザの本命

重さの正体は VAE デコードです。内部情報を映像に戻す「現像」のような工程で、画像なら 1 枚で済むところ、24fps の 5 秒動画は約 120 枚ぶん要ります。「尺 × 解像度」で枚数と 1 枚の重さが両方膨らむため、フル HD の長尺だけが極端に手が出せなくなるのです。

フルHDの壁と時短ワザ。そのままフルHD(1080p)生成は1秒=約25分・5秒なら2時間級で量産は現実的でない。発想を変えて時短ワザの二段構えへ:手順1で768×432の低解像度で生成すると1秒約3.5分(フルHD直行の約1/7)、手順2でffmpeg(lanczos)で1080pへ引き上げ、引き上げ自体は約0.45秒と一瞬。雰囲気カットなら十分実用。加えて長い尺のメモリ対策として、121フレーム(5秒級)は一気に現像するとOOMで落ちるかスワップ暴走(32GBでも起きる)ため、VAEDecodeTiledが実質必須。M1 Max 32GB・TI2V-5B+Turbo LoRAの実測。

だから時短ワザは二段構えにします。まず 768×432 の低解像度で生成(1 秒あたり約 3.5 分)、次に ffmpeg の lanczos で 1080p に引き上げ(私の環境で約 0.45 秒)。重い「生成」は小さく済ませ、軽い「引き上げ」だけ大きくする分担です。

「引き伸ばすと粗くなるのでは」という心配は、題材で決まります。雨の窓や湯気のような ambient(環境主体)の映像は元からソフトなので、引き上げの粗が見えにくい。432px で 6 秒のループ素材なら 1 本あたり約 21 分——夜のあいだに回して翌朝に在庫が溜まる量産ペースが、この設定で成立しました。

もう 1 つ、実用ラインに乗せるのに必須だったのがメモリ不足(OOM)の回避です。121 フレーム(5 秒級)を一気に現像するとメモリを使い切り、OOM で落ちるかスワップ暴走で激遅になります(32GB でも起きました)。対処は VAEDecodeTiled(現像をタイルに分ける設定)で、これを入れてからは 121 フレームでも落ちず、長い尺には実質必須です。

なお私が確かめられたのは M1 Max・32GB の体感だけで、M4/M5 や 16GB/64GB の挙動は推測です。一般には「ユニファイドメモリが多いほど長い尺に余裕」「CUDA 環境は速いことが多い」とされますが、機種別の数字は言えません。買い替えや増設を考えるなら、長尺や量産を快適にしたいほどメモリ多めの Mac が結局ラク、というのが私の体感です。

長尺と音声もローカルで|SVI 2.0 Pro・S2V・Wan2.5以降の現在地

📖 この章で使う用語

  • SVI(Stable Video Infinity):Wan の 5 秒生成を直列に連結し、長い動画に伸ばす LoRA ベースの拡張。
  • S2V(Sound-to-Video/音声駆動):音声ファイルに合わせて、人物の口や動きが同期した動画を作るしくみ。
  • TTS(音声合成):テキストから音声を作る技術。S2V に渡す音声の用意に使えます。

「wan2.2 で長い動画は?」「音声付きは?」への答えです。この章は私の未検証領域で、すべて公開情報ベース——それでも交通整理しておく価値があるほど、2025 年末から状況が動いています。

Wan2.2系の長尺化と音声付き生成の現在地(2026年7月)。長尺化はSVI 2.0 Proが5秒生成を直列に連結して理論上無限長、HIGH/LOWの2種LoRAを追加するだけで、2025-12-27にWan2.2対応版がリリース。音声付きはWan2.2-S2Vが音声ファイルに合わせて人物が動き、ComfyUI公式ワークフローあり、音声そのものは別途TTS等で用意。Wan2.5以降は音声ネイティブ生成に進化したが提供はAPI中心で、ローカルで確実なのはWan2.2系まで(2.7は2026年3月予定と報じられている)。対抗馬は音声付きローカル生成のLTX-2。この章は筆者未検証・公開情報ベース。

長尺化の本命は SVI(Stable Video Infinity)です。 2025-12-27 に Wan2.2 対応の SVI 2.0 Pro が正式リリースされ、HIGH/LOW の 2 種の LoRA を既存ワークフローに足すだけで、5 秒生成を直列に連結して理論上無限長の動画を作れるとされています(ComfyUI Wiki のニュースより)。「5 秒の壁」が LoRA 1 組で崩れるなら、本記事の時短ワザと同じ ComfyUI 上に載る拡張という点も好相性です。

音声付きは Wan2.2-S2V(音声駆動)が現実解です。 公開情報では、音声ファイルと画像 1 枚から、声に合わせて人物が話す・動く動画を生成でき、ComfyUI に公式ネイティブワークフローが用意されています。注意点は音声そのものは作ってくれないこと——TTS などで別途用意する必要があり、音声合成と動画を組み合わせる設計は AI動画生成の自動化(自前パイプライン) の考え方がそのまま使えます。

では Wan2.5 以降を待つべきか。 Wan2.5/2.6 は音声ネイティブ生成に進化しましたが、提供は API 中心で、オープンウェイト化を断言する情報は一次確認できていません。つまりローカルの Mac で確実に使えるのは Wan2.2 系までが 2026 年 7 月時点の現在地です。Wan2.7 の大型アップグレードが近いと報じられていますが、これも一次ソースではないため続報待ちです。

音声付きローカルの対抗馬としては LTX-2 の名前も挙がっています。「最新をすぐ・長尺を待たず」ならクラウド(Veo など)が強いのは変わらないので、使い分けは AI動画生成のおすすめ(クラウド比較) をどうぞ。

最後にお金と権利の話を短く。ソフトもモデルも入手は無料で、かかるのは Mac の電気代・時間・ストレージだけです。ただし 生成物の商用利用は、各モデルのライセンス(Wan2.2 は Apache 2.0 とされます)と利用規約を必ずご自身で確認してください。組み合わせる LoRA ごとに条件が違うこともあり、最終判断は権利者の案内・必要なら法務に委ねるのが安全です。Wan2.2 の生成物の扱いを含むモデル別の可否は、ローカル生成AIの商用利用とライセンス早見表に原文と取得日つきで整理しました。

ここまで作れたら、次は何になるか

いま手元にあるのは、Mac だけで作った数秒の動画と、「1 秒あたり何分かかるか」の自分の数字です。

これを人に渡す仕事にするとき、最初に効いてくるのは画質より直しやすさだと感じています。ローカル生成には「ちょっとだけ直す」がなく、5 秒の修正がもう一度 30 分になるからです。その往復に耐えられる尺と本数なのか、そもそもその仕事がどれくらい発注されているのかは、感覚ではなく件数で確かめられます。手元の出力が納品物として通用するかを、実測と公開データで確かめるに、件数の読み方と判定の順で整理しました。

よくある質問

Q1: Wan2.2はMacで本当に動きますか?

A. 動きます。私は Mac Studio(M1 Max・メモリ32GB)+ ComfyUI で Wan2.2 TI2V-5B を動かし、画像から動画(i2v)で 2 秒の動画を約 9 分で生成できました。ほかに 5B 専用の軽量版 Wan2.2-Mac や、Apple Silicon 最適化アプリの Draw Things というルートも公開されています(この2つは私は未検証です)。

Q2: M1 Max・32GB のMacで実用速度で動きますか?

A. 短い動画なら実用です。私の実測では i2v の 2 秒が約 9 分。フル HD をそのまま作ると 1 秒あたり約 25 分かかるので、低い解像度(768×432)で作ってから 1080p に引き上げる時短ワザを使っています。他機種(M4/M5・16GB/64GB)は手元にないため断定はできません。

Q3: Wan2.2 で長い動画は作れますか?

A. 素の Wan2.2 は 5 秒級(121 フレーム)が一区切りで、私の環境では 5 秒に 30〜36 分かかりました。公開情報では、SVI 2.0 Pro という LoRA を足すと 5 秒生成を直列に連結して理論上無限長にできるとされています(2025-12-27 に Wan2.2 対応版がリリース。私は未検証です)。

Q4: 音声付きの動画にできますか?

A. Wan2.2 自体は映像のみですが、公開情報では Wan2.2-S2V(音声駆動)を使うと音声ファイルに合わせて人物が動く動画を作れ、ComfyUI に公式ワークフローがあります。音声そのものは別途 TTS などで用意します。音声ネイティブの Wan2.5 以降は提供が API 中心で、ローカルで確実に使えるのは Wan2.2 系までです。

Q5: 生成した動画は商用利用してよいですか?

A. Wan2.2 は Apache 2.0 とされますが、生成物の商用利用は各モデルのライセンスと利用規約を必ずご自身で確認してください。最終的な判断は権利者・各規約・必要なら法務や弁護士に委ねるのが安全です。


営業7年から生成AIエンジニアになった私が、Mac Studio(M1 Max・32GB)で実際に ComfyUI×Wan2.2 を回した手触りをもとに書いています。SVI・S2V・Draw Things・Wan2.2-Mac は未検証のため公開情報と明記のうえ出典を添えました。記事内容の誤り・古くなった情報のご指摘やお問い合わせは、send@bon-bon-tools.com までお寄せください。


出典


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