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AI 動画 副業は成立するか|Mac実測でわかる、納品物として通る境界

「AI で動画は作れるようになった。でも、これって副業になるのか」。そこで止まっている方は多いと思います。検索すると「月6万」「月10万」の見出しが並び、サジェストには「AI 副業 詐欺」が出てくる。数字の景気が良いほど、かえって信じられなくなる領域です。私の Mac(M1 Max・32GB)で測ると、フル HD をそのまま作る道は 1 秒あたり約 25 分かかりました。5 秒の動画で 2 時間級です。

結論から言うと、副業として成立するかは「稼げるか」より前に、その出力が納品物として通るかで決まる筋だと考えています。そしてこの記事では、収入の金額を一切扱いません。私に AI 動画で稼いだ実績がなく、書けることがないからです。代わりに、通る仕事と通らない仕事の線引きだけを、手元の実測と公開データでやります。

作り方や設定値そのものを先に知りたい方は、Wan2.2 を Mac で動かす実測記事Wan2.2 の使い方からどうぞ。この記事は、そこで作れたものを「仕事の基準」に当ててみる回です。

結論|「稼げるか」より先に決まること — 尺・解像度・修正回数

納品の関門は3つ。出力ができた状態から、尺と解像度(指定の長さ・画質で期日に間に合うか)、修正回数(ローカル生成では修正1回が作り直しになる)、権利(使っていいではなく説明できる記録があるか)を順に通って、はじめて納品物として通用する

先に答えを 3 つ置きます。

  1. 量産できるものと、できないものは物理で決まっています。 やる気や工夫ではなく、手元の機械が 1 秒の映像に何分かけるかで決まります。
  2. 通るかどうかは、ほぼ尺・解像度・修正回数の 3 つで決まります。ジャンル選びやセンスの前に、この 3 つが関門です。
  3. 単価は書きません。 後で触れますが、私が持っているのは件数のデータであって、単価のデータではないからです。

この記事は「納品物として通用する」を、次の意味で使います。

指定された尺と解像度で、期日までに、修正に応えられる状態で出せること。

「きれい」「プロ並み」といった形容詞は入れていません。そこを主観で語り始めると、結局は読んだ人の手元で何も判定できなくなるからです。逆に言えば、この 3 条件はすべて時間で測れます。時間で測れるということは、自分の機械で自分でも確かめられるということです。

なお、金額の話をしないのはこの節限りの断りです。以降はいちいち繰り返さず、事実の側だけを書いていきます。

その仕事は、どれだけ発注されているのか|件数の事実だけを見る

動画制作・映像編集の掲載在庫56,436件から言えるのは、この領域に仕事が載っていること・裾野が広いこと・出典をたどれることまで。言えないのは、いま応募できる件数・実際の件数・単価や月収・取りやすさ

📖 この章で使う用語

  • 掲載在庫:そのカテゴリに「載っている」仕事の総数。募集が終わったものも含みます。棚に並んでいる商品の総数であって、いまレジに持っていける数ではありません。
  • quote_only:当サイトのデータ台帳での区分。引用はできるけれど、加工して独自の平均を作ってはいけない数字、という意味です。

まず規模の話です。クラウドソーシングのランサーズで、動画制作・映像編集カテゴリの掲載在庫は 56,436 件でした(2026-07-15 取得)。

ただし、この数字にはそのまま添えなければならない注意が 2 つあります。

  • 募集中の件数ではありません。 募集が終わったものを含む在庫であり、いま応募できる件数ではありません。
  • カテゴリの重複があります。 1 つの仕事が複数のカテゴリに載っていることがあります。

つまりこの 56,436 件が言えるのは「この領域には仕事のやり取りが常時ある」という規模感までです。「56,436 件の仕事が空いている」でも「そのうち何件が AI で作った動画で通る」でもありません。

そして、ここが本記事の立ち位置です。この数字は件数であって、単価ではありません。 だから私は単価を書きません。上位の記事は相場を書いていますが、当サイトが実際に取得して追跡できているのは件数のほうだけで、そこを超えると、私の記事も「数字の景気だけがいい記事」の仲間入りになります。

件数が多いことも、そのまま「取りやすい」という意味にはなりません。在庫が多い領域は、たいてい人も多い領域です。

この数字の出典・取得日・再利用条件は、生成AI案件・求人マップ(データ正典)にそのまま置いてあります。読み方の解説は案件・求人マップの解説記事にまとめました。数字を疑いたくなったら、私の要約ではなく元の条件を見に行ってください。

手元の出力を、納品の基準に当ててみる|M1 Max 実測が示す境界

📖 この章で使う用語

  • ComfyUI:自分のパソコンの中で画像や動画のAIを動かすための、無料の操作画面。処理の流れを箱と線でつないで組み立てます。
  • Wan2.2:その ComfyUI で動かせる、動画を生成するAIモデルの一つ。無料で手元に置けます。
  • アンビエント(ambient):主役が動かない、背景・雰囲気のための映像。波・雲・光・湯気など。
  • lanczos(ランチョス):小さく作った映像を引き伸ばすときの計算方法の一つ。無料の変換ツール ffmpeg で使えます。小さい写真をきれいに引き伸ばす方式、くらいの理解で十分です。
  • VAE デコード:AI が内部で持っている圧縮された映像を、実際に見える映像へ戻す最後の工程。ここが一番時間を食います。

ここからが本題です。数字そのものの詳しい話は実測記事にありますので、この章ではその数字が納品を成立させるかどうかという一点だけに使います。

尺と解像度|「できる」と「量産できる」は別

M1 Max 32GB の実測。フルHDをそのまま作ると1秒あたり約25分で5秒の映像に約2時間かかり量産は成立しない。768×432で作って ffmpeg の lanczos で1080pへ引き上げると1秒あたり約3.5分に収まり、背景や雰囲気の映像なら現実的

私の Mac Studio(M1 Max・32GB)で、ComfyUI と Wan2.2 を回した実測はこうでした。

作り方M1 Max(32GB)実測納品の観点での判定
フル HD をそのまま生成1 秒あたり 約 25 分納期のある仕事には載らない
704px・2 秒約 9 分短い素材なら現実的
704px・5 秒約 30〜36 分1 本に腰を据えるなら
768×432 で作り、1080p へ引き上げ1 秒あたり 約 3.5 分(引き上げ自体は約 0.45 秒)アンビエント題材なら実用

読み替えるとこうなります。フル HD をそのまま作る道は、技術的にはできるが、納期のある仕事には載りません。5 秒で 2 時間級ですから、「明日までに 10 本」のような依頼とは、そもそも同じ土俵に立っていません。

一方、低い解像度で作ってから引き上げる道なら、1 秒あたり 3.5 分。これは夜のあいだに回して翌朝に在庫が溜まるペースです。同じ機械・同じモデルでも、道の選び方で「載る/載らない」が入れ替わります。

なお、これは M1 Max・32GB という私の 1 台での話です。M4/M5 や 16GB・64GB、Windows と NVIDIA の環境は手元にないので、推測しか言えません。一般にはメモリが多いほど長い尺に余裕があるとされますが、機種別の数字は私からは出せません。

修正回数|ローカル生成には「ちょっと直す」がない

ここが本当の関門です。上位の記事はどこも触れていませんが、納品を一番きつくするのは生成時間そのものではなく、修正が効かないことでした。

動画編集ソフトなら、「3 秒目のテロップを少し右へ」は数十秒で終わります。ところがローカル生成には、その「ちょっと直す」がありません。修正 1 回が、丸ごと作り直しです。

納品の往復に当てると、意味がはっきりします。実際の仕事はふつう、初稿を出し、修正が返り、もう一度直す。少なく見ても 3 回は作ることになります。先ほどの実測を単純に掛け算すると、こうなります。

  • 768×432 で 5 秒(約 17〜18 分)× 3 回 = 1 時間弱
  • 704px で 5 秒(約 30〜36 分)× 3 回 = 1 時間半〜2 時間
  • フル HD をそのまま 5 秒(約 2 時間)× 3 回 = 6 時間級

しかも、生成 AI は同じ指示でも同じ絵を返しません。「ここだけ直して」と言われて回した結果、直したかった箇所以外まで変わることがあります。すると修正はもう一往復増えます。

つまり、修正の往復が読めない仕事ほど、この道具は不利です。逆に、修正が構造的に少ない仕事なら、いきなり現実的になります

落ちる境界|長い尺ほど、途中で止まる

もう 1 つ、納期のリスクとして書いておきます。5 秒級(121 フレーム)を一気に現像しようとすると、私の 32GB ではメモリを使い切って落ちるか、極端に遅くなりました。VAEDecodeTiled という、現像を分割して処理する設定を入れて初めて通りました。

重さの正体は VAE デコードです。24fps の 5 秒なら約 120 枚ぶんを現像することになるので、尺が伸びるほど効いてきます。仕事として見ると、長い尺ほど、締め切り前夜に止まる可能性が上がるということです。設定でどう回避するかは実測記事必要スペックの記事に分けて書きました。

ここまでで、判定に必要な材料は出そろいました。あとは、自分の Mac で同じ数字が出るかどうかです。

通る仕事・通らない仕事|いまの手元で、何なら引き受けられるか

📖 この章で使う用語

  • B-roll:主となる映像の合間に差し込む補助映像。インタビューの背景に流れる風景カットなどがこれです。

前章の境界を、そのまま仕事の形に翻訳します。感想ではなく、尺・解像度・修正回数の帰結です。

通りうる通りにくい
数秒の短尺長尺
解像度低解像度で作って引き上げられるものフル HD をそのまま求められるもの
修正差し替え前提・自分の裁量で決められるもの往復の回数が読めないもの
アンビエント素材、B-roll、背景素材、自分のチャンネル・自分の作品短納期の受託、細かい指示の入るクライアントワーク

要するに、納期と修正が自分の管理下にある仕事から順に成立していきます。他人の締め切りと他人の修正指示が乗るほど、手元の道具は不利になります。

権利を説明できるか|納品の 3 つ目の条件

尺と解像度と修正のほかに、もう 1 つあります。渡した映像について、権利を説明できる記録があるかです。

ここでの基準は「使っていいらしい」ではありません。どのモデルを、どのライセンスで、いつ確認して使ったのかを、聞かれたときに出せることです。モデルの利用条件と、生成物の権利は別の話なので、そこも分けて記録します。確認の手順とモデル別の原文はローカル生成AIの商用利用とライセンスに、取得日つきで整理しました。最終的な判断は各規約と、必要なら法務や弁護士に委ねるのが安全です。

「クラウドの方が速いのでは」への正直な答え

そのとおりの場面があります。長尺や量産、最新モデルをすぐ試したいなら、Sora や Veo のようなクラウドのほうが速いです。そこを隠すと、この記事も信用できないものになります。

手元のローカルが効くのは、条件が絞られます。枚数を回したいとき・素材を手元に置いておきたいとき・従量課金を避けたいときです。クラウド側の比較はAI 動画生成のおすすめにまとめてあります。

受注だけが出口ではない

「他人の締め切りに合わない」なら、締め切りを自分で持つ道もあります。

私自身は、業務とは別の個人プロジェクトとして、音声合成の AivisSpeech と ffmpeg、Claude Code のサブエージェントを組み合わせた動画の自動生成パイプラインを作り、YouTube で運用しています。初動は 1 時間で 250 回再生ほどでした。稼ぎの話としてではなく、修正の往復が発生しない仕事の形として挙げています。ここでは私が納期と修正の両方を持っているので、生成が 30 分かかっても誰も困りません。パイプラインの中身はAI 動画生成の自動化に書きました。

素材として静止画も要るなら、Mac でのローカル画像生成Qwen-Image-Edit での背景差し替えが地続きです。

「自分にできるのか」への、最初の一歩

やることは 1 つに絞れます。768×432 のような低い解像度で 5 秒を 1 本作って、ffmpeg の lanczos で 1080p へ引き上げるところまでを、自分の機械で通してみてください。

そこで出た「1 秒あたり何分」が、あなたの判定材料そのものです。私の 25 分や 3.5 分ではなく、あなたの数字で、通る仕事と通らない仕事が決まります。

よくある質問

Q1: AI 動画の副業は、実際いくら稼げますか?

A. この記事では扱いません。私に AI 動画で稼いだ実績がなく、書けることがないためです。単価を出している記事もありますが、当サイトが取得して追跡できているのは件数のデータであって単価ではないので、そこには踏み込みません。

Q2: Mac だけで納品できますか?

A. 尺と解像度によります。短尺のアンビエント素材なら、私の M1 Max(32GB)の実測では現実的な時間に収まりました。フル HD をそのまま長尺で作る道は 1 秒あたり約 25 分で、納期のある仕事には載りません。

Q3: 1 本作るのにどれくらい時間がかかりますか?

A. 私の Mac Studio(M1 Max・32GB)では、704px の 2 秒で約 9 分、5 秒で約 30〜36 分でした。768×432 で作って 1080p へ引き上げる道なら 1 秒あたり約 3.5 分(引き上げ自体は約 0.45 秒)です。他機種は測っていないので、推測しか言えません。

Q4: 生成した動画を、そのまま商用で使っていいですか?

A. モデルの利用条件と、生成物の権利は別の話です。確認の手順とモデル別の原文はローカル生成AIの商用利用とライセンスに取得日つきで整理しました。最終的な判断は各規約と、必要なら法務や弁護士へ。

Q5: クラウド(Sora / Veo)の方がよくないですか?

A. 長尺・量産・最新モデルはクラウドが速いです。ローカルが効くのは、枚数を回す・素材を手元に置く・従量課金を避けたい場合に絞られます。両方を持っておいて、仕事の形で使い分けるのが現実的だと感じています。


営業 7 年から生成AIエンジニアになった aikun が、Mac Studio(M1 Max・32GB)で ComfyUI と Wan2.2 を実際に回した手触りと、取得日つきの公開データだけをもとに書いています。記事内容の誤り・古くなった情報のご指摘は、send@bon-bon-tools.com までお寄せください。


出典


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当ブログの筆者が、M1 Max の Mac 1台で「画像を作る→編集する→動かす→フルHDに仕上げる」を通しでやり切った手順書です。動いた設定値、ComfyUI にそのまま読み込めるワークフロー3点、自作スクリプト3本(Python全文)、踏んだ地雷の回避手順まで収録しています。実測サマリと全体マップまで無料で読めます(note)。

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