ローカルLLM 画像生成|Ollamaで足りる範囲とComfyUIが要る境界線

「手元の Ollama で画像も作れたらいいのに」と思って検索したら、記事によって「できる」「できない」が真っ二つで、どれが今の話なのか分からない。そういう方は多いと思います。私も調べ直して驚いたのですが、答えは2026年1月に変わっていました。Ollama は 1月20日から macOS で画像生成に試験対応し、Windows と Linux は「coming soon」のままです(公式ブログ・2026-07-17取得)。同じ「ローカルLLMアプリ」でも、LM Studio は今も画像を作れません。

結論から言うと、Mac なら作れます。ただし作れるのは「1枚の絵」まで、と線を引いておくのが筋です。この記事では、Ollama で足りる範囲と、その先で ComfyUI が要る境界線を、同じ Mac(M1 Max・メモリ32GB)で両方を動かしている手元の実測をもとに引きます。

とりあえず最短で1回試したい方は、コマンド1行で1枚出す手順から読んでも大丈夫です。逆に「Ollama で足りるのか、その先があるのか」を先に知りたい方は、境界線の章が本題になります。

答えは3つに割れる|Macは可・Windowsはまだ・LM Studioは別物

ローカルLLMで画像生成ができるかの3分岐マップ。macOS の Ollama は2026年1月から試験的に可能、Windows と Linux の Ollama は未対応で coming soon、LM Studio は画像生成機能そのものがなく不可

「ローカルLLM で画像は作れますか」への答えは、いま3つに割れています。

環境画像生成補足
Ollama(macOS)できる2026年1月20日から試験的に対応
Ollama(Windows / Linux)まだ公式は「coming soon」(2026-07-17時点)
LM Studioできない文章を扱うアプリ。画像の読み込みは可

割れている理由は単純で、画像生成が最近ついたばかりの新機能だからです。同じ「ローカルLLMアプリ」という括りに見えても、対応した入れ物と、していない入れ物があります。2026年1月より前に書かれた記事は「作れない」と書いていますし、その時点ではそれが正解でした。

そして、ここから先が本題です。作れるようになった、で終わると読者が損をします。Ollama で作れるのは「1枚の絵」までで、そこから先には別の道具が要ります。

この記事が引くのはその線です。どこまでが Ollama で足りて、どこから ComfyUI が要るのか。私は同じ Mac Studio(M1 Max・32GB)で、Ollama を文章用に、ComfyUI を画像・編集・動画用に動かしているので、両側の手触りから線を引けます。

文章のモデルと画像のモデルは別物|入れ物が両方を持てるようになっただけ

入れ物(ランタイム)と中身(モデル)のマトリクス図。Ollama on macOS だけが文章モデルと画像モデルの両方に対応、Ollama on Windows は入れ物の対応が未了、LM Studio は画像モデルを載せる機能がなく、どちらも理由が異なることを示す

📖 この章で使う用語

  • 大規模言語モデル(LLM):文章の続きを予測する装置。Ollama や LM Studio がこれまで動かしてきたのはこちらです。
  • 拡散モデル:砂嵐(ノイズ)から絵を少しずつ浮かび上がらせる仕組み。文章モデルとは設計思想がまったく別です。
  • ランタイム(入れ物):モデルを動かすアプリ側のこと。Ollama や LM Studio がこれにあたります。お弁当箱と中身の関係で、画像が出るかどうかは中身より入れ物側の対応で決まります
  • ComfyUI:画像や動画の生成を、処理の箱をつないで組み立てる無料ソフト。これも自分のパソコンの中で動きます。ollama run の1行に対して、こちらは画面で組み立てる道具、くらいのイメージです。
  • Z-Image Turbo:Alibaba の Tongyi Lab が公開した画像生成モデル(60億パラメータ)。Ollama が対応した2つのうちの1つです。
  • FLUX.2 klein:Black Forest Labs の画像生成モデル(4B と 9B の2種類)。もう1つがこちらです。

そもそも、なぜ長いあいだ「ローカルLLM では画像は作れない」だったのか。ここを押さえると、3つに割れた答えが1本の理屈で説明できます。

文章を書くモデルと、絵を描くモデルは、別物です。LLM は「次の単語を予測する」装置で、画像生成に使われる拡散モデルは「ノイズを削って絵を浮かび上がらせる」装置。同じ AI でも、中の作りがまったく違います。

営業時代の道具でたとえるなら、提案書を書くソフトと、写真を加工するソフトくらい別です。どちらもパソコンで動きますが、片方でもう片方の仕事はできません。

2026年1月に変わったのは「入れ物」のほう

ここが今回の要です。Ollama が画像生成モデルも載せられる入れ物になっただけで、文章モデルと画像モデルが1つに融合したわけではありません

同じ ollama run から呼べるので混ざって見えますが、中では別々のモデルが動いています。冷蔵庫に飲み物と食材の両方が入るようになった、という話であって、飲み物が食材になったわけではない、くらいの感覚です。

この見方をすると、残り2つの「できない」の理由が、実は別々だと分かります。

  • LM Studio ができない:入れ物が画像モデルを載せる機能を持っていないから
  • Windows の Ollama ができない:入れ物の対応がまだ済んでいないから(公式は coming soon)

どちらも「モデルが無い」のではなく、入れ物側の事情です。Windows のほうは、対応が進めば変わる可能性がある話でもあります。

使えるモデルは今のところ2系統

公式が対応を発表しているのは Z-Image Turbo と FLUX.2 klein の2つです。ざっくりした位置づけはこうなります。

モデル規模公式が示すライセンス表記
Z-Image Turbo6BApache 2.0
FLUX.2 klein 4B4BApache 2.0
FLUX.2 klein 9B9BFLUX Non-Commercial License

(各モデルの公式ページ・2026-07-17取得)

同じ「Ollama で出した絵」でも、選んだモデルで扱いが変わるということです。とくに FLUX.2 klein は 4B と 9B で表記が違い、9B のほうは非商用のライセンス名が付いています。仕事で使う可能性があるなら、モデルを選ぶ段階で見ておくほうが後戻りが少ないと思います。ライセンスの読み方はローカル生成AIの商用利用とライセンスにまとめました。

Ollamaで1枚出す|コマンドは1行、あとは待つだけ

📖 この章で使う用語

  • 統合メモリ(ユニファイドメモリ):Apple Silicon の Mac が CPU と GPU で共有しているメモリ。Windows でいう VRAM に相当する役割を兼ねます。
  • 量子化(GGUF):モデルを軽く詰め直した形式のこと。画質を少し譲って、メモリと時間を稼ぎます。

Ollama がすでに入っているなら、やることは1行です。公式ブログが示している例はこれです。

# プロンプトはそのまま引数に渡す。生成された PNG は今いるフォルダに保存される
ollama run x/z-image-turbo "a cat wearing a hat"

初回はモデルのダウンロードが走るので待ち時間があります。2回目以降は、このコマンドだけで PNG が手元に出ます。

私が「これは大きいな」と感じたのは、この発表を読んだときの気軽さです。ComfyUI 側は、後で正直に書きますが、最初の1枚までの道のりがまったく違います。とりあえず自分の Mac で絵が出るかどうかを確かめたいだけなら、この1行が最短です。

先に立場を書いておきます。私自身が手元で動かし込んでいるのは ComfyUI 側のモデル(FLUX.1 schnell や Qwen-Image-Edit)で、Ollama の画像生成そのものは公式の情報を追っている段階です。ですので、「Z-Image Turbo なら私の Mac で何分」という数字は、この記事では出しません。実測を持っていないのに秒数を書くのは、読者にとって一番たちの悪い嘘になります。

どちらのモデルから試すか

迷ったら、まず Z-Image Turbo でいいと思います。理由は単純で、公式が最初に示しているコマンド例がこのモデルだからです。もう一方の FLUX.2 klein は 4B と 9B に分かれていて、9B のほうは相応にメモリを要求します(公式は NVIDIA 環境で約29GB の VRAM 相当と案内しています・2026-07-17取得)。

「数分」という数字の読み方

そのかわり、体感の目盛りになる話をします。

Ollama の公式ブログは所要時間を明示していません。Mac mini M4 で実機検証している源勝 AI 実験室の記事でも「数分かかりますが」という表現にとどまっています(2026-07-17取得)。

では「数分」がどれくらい重い話なのか。私が同じ Mac(M1 Max・32GB)の ComfyUI で FLUX.1 schnell を回したときの実測が、その目盛りになります。

条件1枚あたり
1024px(4step・GGUF Q8)数十秒
フルHD 1920×1088約4分7秒

つまり Apple Silicon のローカルで拡散モデルを回すと、1枚が「数十秒から数分」の桁になる、というのが手元の感覚です。クラウドのサービスで数秒で返ってくるのに慣れていると遅く感じますが、ローカルではこれが普通です。逆に言えば、待てるなら回数は無制限で、プロンプトも生成物も外に出ません。

必要なメモリの逆算をきちんと知りたい方は、ローカル生成AIの必要スペックに帯ごとの判断をまとめています。ここでは「統合メモリが 32GB あれば画像は普通に回る、というのが手元の実感」までにしておきます。

ComfyUI 側で実際に何がどれだけかかったかは、Mac でローカル画像生成は実用か(ComfyUI×FLUX 実測)に置いてあります。境界線の話に入る前に、向こう側の実測を先に見ておきたい方はどうぞ。

Ollamaで足りる人・ComfyUIが要る人|境界線は「1枚の次」にある

Ollama と ComfyUI の境界線マップ。1枚の絵を出すだけなら Ollama で足りる。背景を直す(Qwen-Image-Edit 768px 約3.5分)、画像を動かす(Wan2.2 704px 2秒で約9分)、設定を再現して量産する、の3つが出てきたら ComfyUI 側という判断を M1 Max 実測バッジつきで示す

📖 この章で使う用語

  • LoRA:モデルに後付けする小さな部品。ここでは主に「工程を削って速くするための追加ファイル」として出てきます。
  • ワークフロー:ComfyUI で処理の順番をつないだ設計図。同じ絵をもう一度出すための単位になります。
  • i2v(画像から動画):1枚の画像を起点に、それを動かして動画にするやり方。

先に、はっきり言っておきます。

1枚の絵が出ればいいなら、Ollama で十分です。ComfyUI は要りません

  • 思いついたものを形にして眺めたい
  • 資料に貼るイメージが1枚あればいい
  • とにかく無料で回数を回して遊びたい

これに当てはまるなら、この先を読む必要すらありません。ollama run の1行で足ります。道具は、必要になってから増やせば十分です。

境界線が現れるのは、1枚出せた「その次」を求めた瞬間です。私の手元では、次の3つでした。

直したい:背景だけ差し替えて、被写体は保ちたい

「いい絵が出た。でも背景だけ変えたい」。ここが最初の壁でした。もう一度プロンプトを投げると、背景どころか被写体まで別物になります。同じものを保ったまま一部だけ直すのは、1枚出すのとは別の仕事です。

私は Qwen-Image-Edit-2509 でこれをやっていますが、実測はこうでした。

設定1枚あたり実用性
768px + 4step の LoRA約3.5分使える
1024px + 20step(LoRA なし)約45分実用外

45分と3.5分。同じ Mac、同じモデルで、設定だけでこれだけ違います。この差を触れるのが ComfyUI 側の世界です。詳しくはQwen-Image-Edit で Mac の背景差し替えに書きました。

動かしたい:1枚の絵を動画にしたい

出た絵を動かしたくなったら、それも別の仕事です。私は Wan2.2 TI2V-5B でやっていて、704px 四方の2秒でおよそ9分でした。尺を伸ばすと、ここから素直に跳ね上がります。実測はMac でローカル動画生成は実用かに並べてあります。ローカルにこだわらず、クラウドの動画生成サービスから選ぶ場合の勢力図はAI動画生成のおすすめが担当です。

詰めたい:同じ設定を再現して、量産したい

「昨日のあの絵、もう一度同じ雰囲気で出したい」。これがいちばん Ollama で厳しいところです。step を変える、LoRA を足す、途中の処理を差し替える、設定ごと保存して使い回す。この再現と量産のための仕組みが ComfyUI のワークフローです。導入手順はComfyUI を Mac に入れるに置いています。

なお、プロンプトそのものの組み立て方(主題・スタイル・構図・制約の4要素)は道具を問わない話なので、AI画像生成のプロンプトにまとめてあります。

正直に書いておく:ComfyUI 側は、明確に重い

ここで「じゃあ ComfyUI にしましょう」と背中を押すのは、たぶん不誠実です。ollama run の1行と比べて、向こう側は最初の1枚までが明確に重いので、私が実際に踏んだ地雷を先に置いておきます。

  1. FLUX の公式 VAE がダウンロードできない(権限がかかっている)。VAE は、モデルが描いた下絵を最後に画像へ現像する部品です。Comfy-Org のミラーから取る必要がありました
  2. GGUF のモデルが読み込めない。ComfyUI-GGUF というノードと、gguf というライブラリの追加(pip=Python の部品を入れるコマンド)がセットで必要でした
  3. ディスクが突然足りなくなる。真犯人は macOS のローカルスナップショットで、tmutil deletelocalsnapshots でごっそり戻りました

3つ目に至っては、もはや画像生成の話ですらありません。それでも、これを越えないと「直す・動かす・量産する」の側には行けない、というのが手元の結論です。

ちなみに、私の実機は M1 Max・32GB の1台だけです。M4 や M5、メモリ16GB や64GB、Windows の NVIDIA 環境がどうなるかは、持っていないので推測になります。断定はしません。

Ollama で足りる人は、1枚出して満足できる人。ComfyUI が要る人は、直したい・動かしたい・再現したいのどれかが出てきた人。線はここです。

もし後者だと分かったなら、私が上の地雷で溶かした時間の分だけ、手順が揃っているところから始めたほうが早いはずです。

よくある質問

Q1: Windows でローカルLLMから画像生成はできますか?

A. Ollama の画像生成は 2026年7月時点で macOS のみです。公式ブログには「Windows and Linux coming soon」と書かれています(2026-07-17取得)。Windows で手元生成をするなら、Ollama ではなく ComfyUI などの別ルートになります。私の実機は Mac だけなので、Windows・NVIDIA 環境での挙動は断定できません。

Q2: LM Studio で画像は作れますか?

A. 作れません。LM Studio は文章を扱う LLM 用のアプリで、画像の読み込みはできても、生成する機能を持っていないためです。LM Studio でプロンプトを英語で練って、生成は別のツールにさせる、という組み合わせ方をしている方はいます。

Q3: Ollama の画像生成は無料ですか?回数制限はありますか?

A. モデルを一度ダウンロードすれば、あとは自分のパソコンの中で動くので、回数の制限も1枚ごとの課金もありません。かかるのは電気代と、モデルを置くストレージです。画像・動画系のモデルを増やすと、ストレージは数十GB単位で減っていきます。

Q4: 生成した画像は商用利用できますか?

A. モデルごとにライセンスが違うので、一律には言えません。公式の表記では Z-Image Turbo と FLUX.2 klein 4B は Apache 2.0、FLUX.2 klein 9B は FLUX Non-Commercial License とされています(2026-07-17取得)。最終判断は各モデルのライセンス原文と、必要なら法務にご確認ください。読み方は商用利用とライセンスの記事に整理してあります。

Q5: Ollama の画像生成と ComfyUI、どちらを使えばいいですか?

A. 1枚の絵が出ればいいなら Ollama で十分で、ComfyUI は要りません。背景だけ直したい・画像を動かしたい・同じ設定を再現して量産したい、のどれかが出てきた時点が境界線です。


営業7年から生成AIエンジニアになった aikun が、Mac Studio(M1 Max・32GB)で Ollama と ComfyUI の両方を動かしている手元の感覚をもとに書いています。Ollama の画像生成そのものは公式ブログの情報を追っている段階なので、速度や品質の実測は本文でも出していません。記事内容の誤りや古くなった情報のご指摘は、send@bon-bon-tools.com までお寄せください。


出典


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