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VSCode×OllamaでローカルLLMコーディング|設定と実用度

VSCode に Ollama を繋ぐと、コードを一切外に出さずに補完・チャットが手元の Mac だけで動きます。「この受託コード、Claude Code に丸ごと貼っていいんだっけ」——機密のコードベースで手が止まった経験がある方には、これが一番の価値です。本記事では、その設定手順(Continue / Roo Code)と向くコード特化モデル、そして業務で毎日使っている Claude Code / Cursor との実力差を正直に書きます。

結論から言うと、補完や定型コードなら手元でも実用域に近づく、大きな設計や複雑な文脈はクラウドが上——答えは用途ではっきり分かれました。

すでに Ollama などでローカルLLMを動かせる前提で読み進めてください。インストールやモデル選びがまだの方は、先に親記事のLLM ローカルの基礎を、AIコーディング全体の地図はAIコーディングとはを入口にしてみてください。

結論と実力|補完は手元で実用、設計と文脈はクラウドが上

ローカルLLMとクラウドのコーディング支援の使い分けマップ。ローカルはコード補完・定型ボイラープレート・小さな関数・機密コードの処理・オフラインに向き、クラウド(Claude Code / Cursor)は大規模な設計判断・コードベース全体の文脈把握・最新ライブラリの知識・自律エージェントに向く。最後は人がレビューするという構造を表した図。

📖 用語ローカルLLM=自分のPCで動かすLLM(「クラウドAI=レンタカー、ローカルLLM=自家用車」)/コーディング支援=AIにコードを書かせる・補完させる・直させること(Claude Code / Cursor / Copilot など)。

結論を3行でまとめます。

  1. コード補完・定型のボイラープレート・小さな関数の生成なら、手元のローカルLLMでも実用に近づきます。
  2. 大きな設計判断・コードベース全体の文脈把握・最新ライブラリの正確な知識は、クラウドのCursorClaude Codeに明確に分があります。
  3. 最大の価値は実力ではなく、機密・受託のコードを外に出さず手元で扱えること(プライバシー・オフライン・課金停止でも動く)です。

立ち位置を正直に書きます。私が一次体験として語れるのは、(1) 業務で毎日クラウドのコーディング支援(Claude Code / Cursor)を使っていること(2) Mac の Ollama で Code Llama / DeepSeek Coder などを動かした個人検証の体感文章校正もこの範囲です)、までです。ローカルのコード特化モデルを業務本番で使い込んでいるわけではないので、本記事のモデル比較やエディタ連携の細部は公開情報を出典つきで整理し、断定を避けます。「ローカルがクラウドと同じ実力」とは申し上げません。

そもそもローカルLLMでコーディングはできるのか

📖 用語コード補完=書きかけの行や関数の続きをAIが提案する機能(エディタ内で動く)/ボイラープレート=設定ファイルや定型の雛形コードなど、毎回ほぼ同じ形で書く部分。

「できる・できない」ではなく、得意なコーディングと苦手なコーディングがあるのが正直な答えです。公開情報と、隣接する手元の体感(クラウドでの日常利用・ローカルLLMを動かした感触)から整理すると、おおよそ次の傾向になります。

用途手元での実用度コメント
コード補完(次の数行)エディタ内の補完は応答が軽く、手元モデルでも体感が良い
定型・ボイラープレート設定ファイル・テスト雛形・CRUD の下書きは得意
小さな関数・ユーティリティ仕様が短く閉じていれば実用。長い依存があると崩れやすい
既存コードの説明・要約手元の小さなファイルの読解は役立つ
大規模リファクタ・設計判断コードベース全体の文脈把握はクラウドが上
最新ライブラリ・API の正確さ学習時点に依存。最新仕様は公式ドキュメント確認が前提

ポイントは、「手元のモデルは賢さで勝つのではなく、近さ(機密を出さない・速い往復)で勝つ」という捉え方です。賢さで正面から勝負すると、現状はクラウドが素直に有利です。

向くモデル|コード特化モデルをサイズとメモリで選ぶ

📖 用語コード特化モデル=コードを多く学習し、補完・生成に強くしたLLM/量子化=モデルを軽くして少ないメモリで動かす圧縮(4bit 量子化=Q4 などと書かれる。軽くなるが精度はわずかに落ちる)。

ここは私の業務常用ではなく、公開情報からの整理です。コード用途でよく名前が挙がる系統を、断定を避けて並べます(順位付けはしません。最新の性能・ライセンスは各公式で要確認)。

モデル系統提供元立ち位置(公開情報)
Qwen2.5-CoderAlibabaサイズ展開が広く、軽量〜中型でコード用途の言及が多い
DeepSeek-Coder 系DeepSeekコード生成・補完で評価される系統
Code LlamaMeta古参のコード特化。情報・派生が豊富
StarCoder2BigCodeオープンなコードモデルの代表格
CodestralMistral AIコード用途を掲げた系統(ライセンスは要確認)

📌 出典(各公式、取得:2026-06-30):Qwen2.5-Coder Family|QwenDeepSeek-Coder|GitHubStarCoder2(bigcode)|Hugging FaceCodestral|Mistral AI。Ollama で配布されているモデルはOllama libraryで確認できます。

選び方の軸はシンプルです。

  1. まず小さめ(数B〜十数B)で動かす。補完中心ならこれで足りることが多い。
  2. 物足りなければ一段大きく。賢くなる代わりに、必要メモリが増える。
  3. 量子化(Q4 など)で軽く。手元のメモリに収まらないときの現実解。

日本語のコメントや指示を多用するなら、ローカルLLMの日本語おすすめの考え方も合わせて見てください。なお「どのモデルが最強か」は環境と用途で変わるので、本記事では順位を断定しません。

VSCodeで使う|Ollama × Continue の最小構成

VSCodeでローカルLLMをコード補完に使う最小構成の流れ図。手順1 Ollamaでコード特化モデルを起動、手順2 VSCodeにContinueなどの拡張を入れる、手順3 拡張からローカルのOllamaエンドポイントに繋ぐ、手順4 補完とチャットが手元で完結しコードは外部に送られない、という4ステップを左から右へ表した図。

VSCode で手元のモデルを補完に使う最小構成を、実際に手を動かす順で書きます。

手順1:Ollama でモデルを2つ用意する。チャット・編集用の中型と、補完用の軽量を分けるのが定石です。補完はキー入力のたびに走るので、軽いモデルのほうが体感が良くなります。

ollama pull qwen2.5-coder:7b     # チャット・編集用
ollama pull qwen2.5-coder:1.5b   # 補完用(軽量・高速)

手順2:VSCode に拡張 Continue を入れる。拡張ビューで「Continue」を検索してインストールするだけです。

手順3:Continue の設定ファイルにモデルを登録する。設定は config.yaml に書き、役割は roles で指定します。チャット・編集と補完でモデルを分けるのがポイントです。

models:
  - name: Qwen2.5-Coder 7B
    provider: ollama
    model: qwen2.5-coder:7b
    roles:
      - chat
      - edit
  - name: Qwen2.5-Coder 1.5B
    provider: ollama
    model: qwen2.5-coder:1.5b
    roles:
      - autocomplete

つまずきやすい点は2つ。model の名前は ollama list の表示と完全一致させること(タグ違いで繋がらないのが定番のハマり)と、接続先は既定でローカルの http://localhost:11434 なので、Ollama を先に起動しておくことです(ポートを変えている場合のみ apiBase で指定)。

手順4:動作確認。サイドバーのチャットに質問して返事が来れば chat、コードを書きかけてグレーの候補が出れば autocomplete が生きています。この状態で、補完もチャットも手元で完結し、コードは外部に送られません。

📌 出典:Continue 公式ドキュメント(Ollama 設定)(取得:2026-07-10)。設定スキーマは更新が速いので、動かないときは公式の最新例を正としてください。

GUI でモデルを管理したい場合は、LM Studio の使い方のように、ローカルでエンドポイントを提供できるツールを使う手もあります。さらに「補完」ではなくコード修正の作業ごと任せたい段階になったら、LM Studio 開発元が出した AI エージェント別アプリ LM Studio Bionic(Code プロジェクト対応)という選択肢も 2026 年 7 月に登場しています。

エージェント的に使う|期待と、手元での限界

📖 用語コーディングエージェント=指示を受けて、ファイル編集・コマンド実行・テストまで複数ステップを自律でこなすAI(Cline / Roo Code、クラウドでは Claude Code / Cursor のエージェント機能など)。

「ローカルモデルにエージェントとしてコードを書かせたい」という需要は強いですが、ここは期待値を正しく持つのが大事です。Cline や Roo Code のようなエージェント系拡張はローカルモデルにも対応しており、接続自体は簡単です——拡張の API プロバイダー設定で Ollama を選び、ローカルの http://localhost:11434 を指すだけで、Continue の設定と同じ考え方で繋がります。ただし、複数ステップを自律でこなす用途は、モデルの賢さへの要求が一段高い——というのが公開情報からの整理です。手元の小〜中規模モデルでは、途中で指示を取りこぼしたり、ツール呼び出しがうまく噛み合わなかったりが増えやすくなります。

現実的な使い分けは、

  • 補完・単発の生成・小さな修正=ローカルでも実用域。
  • 自律で複数ファイルを横断する作業=クラウドのエージェント(Claude Code / Cursor)を主役に。

Vibe coding」のように AI に大きく委ねる進め方ほど、モデルの賢さがそのまま成果に出ます。手元で全部やろうとせず、重い自律作業はクラウド、機密と軽作業はローカルと分けるのが、今のところ無理のない形です。

Macで動かす・必要スペック|ユニファイドメモリと VRAM

手元でコード特化モデルを動かすとき、効いてくるのは CPU の速さよりもメモリ容量です。モデルとその文脈(開いているコード)がメモリに乗り切るかどうかが、動く/動かないの分かれ目になります。

  • Mac(Apple Silicon):CPU と GPU が同じメモリを共有する「ユニファイドメモリ」。容量が大きいほど大きなモデルを動かせます。コード補完中心なら現行の標準的な構成から、余裕を持たせたいならメモリ多めを選ぶのが効きます。私自身、ローカルLLMは Mac の Ollama で動かしており、メモリの余裕がそのまま扱えるモデルの大きさに直結するのは体感どおりです。
  • Windows / Linux(NVIDIA GPU):効くのは GPU の VRAM。VRAM に収まるサイズのモデルが快適に動きます。大きなモデルや長い文脈を狙うなら、VRAM の大きい GPU が要ります。

迷ったときの考え方は、LLM ローカルの基礎で扱っているハードの目安と同じで、「まず手持ちで小さく動かし、物足りなければメモリ/VRAM を上げる」が安全です。Mac でどの構成を選ぶか迷う場合は、ローカルLLM 向け Mac の選び方も参考になります。最初から最大構成を狙う必要はありません。

クラウド(Claude Code / Cursor)との使い分け

ここは業務で毎日使っている一次体験から書きます。私の現場では、コーディングの主役はクラウドです。Claude CodeCursor は、コードベース全体を踏まえた提案・複数ファイルの横断・最新の知識という点で、手元のモデルより明確に頼りになります。Gemini CLICodex CLI も含め、CLI 系の選択肢も増えました。

そのうえで、ローカルが効くのは次のような場面です。

場面向く側理由
顧客資産・受託・社外秘のコードローカル外部に送らずに手元で扱える
オフライン環境・回線が不安定ローカルネットに依存しない
大規模な設計・リファクタクラウド文脈把握と賢さで上
最新ライブラリ・最新APIクラウド知識の鮮度で上
とにかく速く形にしたいクラウド賢さがそのまま速度になる

「機密のときと軽作業はローカル、賢さが要る本番はクラウド」——この線引きが、今のところ一番素直だと感じています。なお、社外秘を扱う際は、ローカルであっても社内規定・情シスの確認を先に済ませてください(手元で動くこと自体は、規定上の可否とは別の話です)。

コードレビュー用途|手元の一次チェックに向く

コードを「書かせる」だけでなく「見てもらう」用途も、ローカルと相性が良い領域です。差分や小さなファイルに対して、明らかなバグの指摘・命名の違和感・抜けの洗い出しといった一次レビューなら、手元のモデルでも下書き役として使えます。これは文章校正をローカルでやる発想と同じで、外に出せないコードを、手元で一度チェックしてから人が仕上げるという流れです。

ただし、レビューの最終判断(設計の妥当性・セキュリティの可否)は人とクラウドに委ねるのが安全です。AIレビュー全体の組み立て方は、AIコードレビューで詳しく整理しています。ローカルはあくまで「外に出せないものの一次チェック」と位置づけると、過信せずに使えます。


ローカルLLMでのコーディングは、クラウドの代わりではなく、クラウドが使えない場面の手元の備えとして捉えると、ちょうど良い距離感になります。補完と軽作業、そして機密コードの一次処理から始めて、賢さが要る本番はクラウドに任せる——その住み分けが、遠回りのない使い方だと思います。

土台のインストールやモデル選びは親記事のLLM ローカルの基礎へ、用途違いの実例はローカルLLMで小説を書く話ローカルLLMで文章校正もあわせてどうぞ。手元でモデルを動かせるスキルを仕事にする道が気になったら、生成AIエンジニアになるにはも参考になります。

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