音声合成を無料で商用利用するには|3層ルールとおすすめ3本

「音声合成を使いたい。無料で、できれば商用もOKなものがいい」——動画や教材づくりでここに行き着く方は多いはずです。結論から言うと、無料で商用利用できる音声合成は実在します。代表は AivisSpeech・VOICEVOX・Style-Bert-VITS2 の3本です。

ただし、この分野には事故のもとになる誤解が1つあります。それは「本体が無料・商用可=どの声をどう使ってもよい」という思い込み。実際には、商用利用の可否はソフト本体ではなく「使う声」ごとに決まります。私は副業の YouTube ナレーションで AivisSpeech の商用可モデルを実運用しており、その立場から「無料×商用」を安全に成立させる確認手順を整理します。

先に3本の比較を1枚にしておきます(いずれも 2026-07-19 時点の公式情報。最新は必ず公式で確認)。

AivisSpeechVOICEVOXStyle-Bert-VITS2
本体の料金無料無料無料(OSS)
商用利用可(本体)商用・非商用問わず無料コードは AGPL 等・要確認
声ごとの規約モデル単位(ACML 等)キャラクター単位モデル単位
クレジット本体は基本不要・声次第キャラ規約で必要が一般的声次第(必須の例あり)
向く人自然さ・実運用キャラ豊富・定番自分で学習・作り込み

結論と全体像|「無料×商用OK」は3層で確認して初めて成立する

無料の音声合成を商用利用するときの3層確認ルールの図。第1層はソフト本体のライセンス(無料・商用可か)、第2層は使う声(モデル・キャラクター)ごとの規約(商用可否・クレジット・非商用限定)、第3層は禁止事項と声の権利(なりすまし・ディープフェイク・肉声と偽る使い方の禁止)。結論は商用可否は本体ではなく声ごとに決まる。

📖 この章で使う用語

  • 音声合成(TTS):文字を入力すると声で読み上げてくれる技術。ナレーションや解説動画の定番です。
  • 音声モデル/キャラクター:読み上げる「声」の単位。同じソフトでも、声ごとに作者と利用条件が異なります。
  • クレジット表記:「この声を使いました」と作品内や概要欄に明記すること。声の規約で求められることがあります。

確認すべきは次の3層です。第1層がソフト本体のライセンス——ここで挙げる3本はいずれも本体無料です。第2層が使う声(モデル・キャラクター)ごとの規約——商用可否・クレジット要否・非商用限定などは、実はほぼすべてこの層で決まります。第3層が禁止事項と声の権利——商用可の声でも、なりすましやディープフェイク的な使い方、生成音声を実在の人の肉声と偽る使い方は禁じられているのが通例です。

つまり「このソフトは商用利用できますか?」という質問自体が少しズレていて、正しくは「このソフトの、この声は、この用途に使えますか?」まで絞って初めて答えが出ます。ここさえ押さえれば、無料ツールでも安心して収益化コンテンツに使えます。

ツール別の実際|AivisSpeech・VOICEVOX・Style-Bert-VITS2

AivisSpeech — 私が副業で実運用している本命

実体験ベースで書けるのはこれです。 ソフト本体は個人・法人・商用を問わず利用でき、基本的にクレジット表記も不要(出典:Aivis Project 公式、2026-07-05 確認)。声は AivisHub からモデル単位で追加し、各モデルが ACML 1.0(商用可)/ACML-NC 1.0(非商用のみ)などのライセンスを持ちます。私は副業の YouTube ナレーションで商用可(ACML 1.0)の阿井田茂モデルを常用しており、概要欄に使用モデルを明記する運用にしています。

導入手順・モデルの選び方・ライセンス4区分の確認手順はAivisSpeech 使い方の記事に全部まとめてあります。迷ったらここから入るのが早いです。

VOICEVOX — キャラクターの層が厚い定番(公開情報)

「ずんだもん」で知られる定番の無料ソフトです。公式は商用・非商用問わず無料を明記し、Windows/Mac/Linux に対応、40 以上のキャラクターから選べます(出典:VOICEVOX 公式、取得:2026-07-19)。重要なのは、キャラクターごとに利用規約が分かれていること。公式サイトの各キャラクターの規約リンクから、商用時の条件(クレジット記載など)を確認してから使う流れになります。私の常用は AivisSpeech 側ですが、VOICEVOX との使い分け(字幕タイミングの取りやすさ等)はAI 動画自動化の記事で触れています。

Style-Bert-VITS2 — 自分で作り込む人向け(3層が最も効く)

自分の PC で動かす OSS で、声の学習まで踏み込めるのが特徴です。ただし3本の中で権利の層がいちばん複雑で、本体コードは AGPL-3.0(一部 LGPL)、付属モデルはクレジット必須で商用可、配布モデルはそれぞれのライセンス——という多層構造になっています。詳しくはStyle-Bert-VITS2 の記事の「商用利用は3層で確認する」節にまとめました。手軽に始めたい方は AivisSpeech か VOICEVOX から入り、作り込みたくなったらここに来るのが順路です。

収益化前チェックリスト|クレジット・禁止事項・規約変更(YMYL)

📖 この章で使う用語

  • 非商用限定(NC):趣味利用は自由でも、収益が発生する使い方は不可という条件。ACML-NC などが該当します。
  • ゾーニング:年齢制限のある内容などを、適切な場所・表示で公開する配慮のこと。声の規約で求められる場合があります。

収益化の直前に、この4点を確認してください。

  1. その声は商用可か:モデル/キャラクターの規約で確認。非商用限定(NC)の声を収益化動画に使うのが最も多い事故です。
  2. クレジット表記の要否と書式:必要なら指定の書式・リンクで、動画概要欄や作品ページに記載。私は「必要かどうか迷ったら書く」運用にしています。
  3. 禁止事項:なりすまし・ディープフェイク・実在の人の肉声と偽る使い方・公序良俗に反する用途などは、商用可の声でも禁じられているのが通例です。
  4. 規約の変更に備える:無料ツールの規約は変わり得ます。使用中の声の配布ページを時々見直し、収益化コンテンツならスクリーンショット等で確認した日付の記録を残しておくと安心です。

なお私は法律の専門家ではありません。グレーな用途や大きな商用案件では、配布元への確認や法務・弁護士など専門家への相談を優先してください。この免責のスタンスはローカル生成AIの商用利用とライセンスの記事(画像・動画側の整理)と共通です。

まとめ|本体ではなく「声」で判断する

要点は3つです。1つ目、無料×商用可の音声合成は実在する——AivisSpeech・VOICEVOX・Style-Bert-VITS2 が代表格。2つ目、商用可否は本体ではなく「使う声」ごとに決まる——本体ライセンス・声の規約・禁止事項の3層で確認する。3つ目、収益化前チェック4点(商用可・クレジット・禁止事項・規約変更)を習慣にすれば、無料ツールでも安心して使い続けられます。

次の一歩は、実運用ベースの導入ならAivisSpeech 使い方、声を自作したいならStyle-Bert-VITS2 使い方、合成した声で動画を量産する仕組みはAI 動画生成 自動化へ。

この記事は、営業職から転身した現役の生成AIエンジニア・aikun が、副業の YouTube ナレーションで AivisSpeech(商用可モデル)を実運用している経験と、公式規約の突き合わせをもとに書いています。VOICEVOX は公開情報の整理であることを本文に明示しました。

よくある質問

Q1: 完全無料で商用利用できる音声合成はありますか?

A. あります。AivisSpeech と VOICEVOX はソフト本体が無料で、商用利用も可能と公式が明記しています(2026-07-19 確認)。ただしどちらも使う声ごとの規約が別にあり、商用可否・クレジット・禁止事項は声単位で決まります。

Q2: クレジット表記は必要ですか?

A. 声ごとに違います。AivisSpeech は本体基本不要でモデル側の規約次第、VOICEVOX はキャラクター規約で求められるのが一般的です。迷ったら書いておくほうが安全で、私は概要欄に使用モデル名とリンクを書く運用にしています。

Q3: YouTube の収益化チャンネルで使えますか?

A. 商用可の声を選んで規約を守っていれば、可能な組み合わせが多いです。私自身、収益化を目指す副業チャンネルで AivisSpeech の商用可モデルを実運用しています。規約は変わり得るので、収益化前に配布元の最新規約を必ず確認してください。

Q4: 無料の音声合成でやってはいけないことは?

A. なりすまし・ディープフェイク的利用、生成音声を実在の人の肉声と偽ること、非商用限定の声の収益化利用が典型です。「本体が無料だから声も自由」という思い込みが一番の事故要因です。


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本記事の数字・固有名詞・引用に誤りを見つけられた場合は、お手数ですが send@bon-bon-tools.com までお知らせください。確認のうえ、本文末に訂正履歴を追記します。本記事は法律相談ではないため、商用利用可否の最終判断は各配布元の規約と専門家にお任せしています。


出典

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